ひとことで言ってしまえば「夫の出世のためにがんばる妻たちの物語」です。
ゴンドウ産業株式会社は「世界のゴンドウ」といわれる大会社です。会社をそこまで育てたのは現会長(開発担当らしい)と現社長(営業担当らしい)ですが、その奥さんたちの力も無視することはできません。今でも会長夫人(宝生あやこ)は人事に関してかなりの影響力をもっています。
その会長夫人が主催する「お茶会」と「エアロビクス」は「権藤家の二大苦行」と呼ばれています。重役夫人や将来有望な取締役候補の奥様方を招待するのです。その場で会長夫人に気に入られれば夫も出世コースに乗りますが、ご機嫌を損ねたら左遷されます。なので「二大苦行」(笑)
そのひとつ、「お茶会」に初めて招待された部長夫人の吉川京子(香山美子)が、社長夫人(淡島千景)に教えを請いにやってくるところからお芝居が始まります。その京子の夫は、48歳で取締役になるのではないかといわれている吉川公夫です。この吉川公夫さんが佐々木功さんの役ですよ!
下から上がってくるものを蹴落とそうとする副社長夫人・専務夫人・常務夫人の3人トリオにいじわるされながらも、京子さんは夫のためにがんばります。いろいろ失敗しながらもこの「二大苦行」をクリアーしていくのです。
佐々木さんの出番は第1部はかなりあとになってからです。京子さんがお茶会に招かれて悪戦苦闘し(そのお茶会の描写が長い、長い)疲れ果てて落ち込んで帰ってくると、佐々木さん演じる吉川公夫さんは新聞読みながらお酒を飲んで待っています。有能な部長らしいのですが家では電話も自分でとらずに奥さんにとらせる男なのですね。どうも感覚が古い。このお話自体が古いような気がします。植木等の歌の一節がでてきますが、あの「社長シリーズ?」「サラリーマンシリーズ?」の時代の雰囲気を感じます。
第2部になりますと、権藤家や山田家の行事に夫婦で招かれることが多くなり、いろいろお顔を出されています。結婚式のときの礼服がお似合いでした(^^)。
自分の携帯が鳴っているのに奥さんにとらせるシーンがあります。携帯というのが妙に現代的でミスマッチだと思いました。携帯を人にとらせるって普通考えられないですよね。電話を自分でとらないおじさんは結構いますが、そういう人は携帯持たないんじゃないかなぁ。というか、携帯を使いこなせないんじゃないかと・・・。
そういう演出上の疑問点は数々ありますが、全体的にコメディ・タッチで笑えるお芝居です。特に副社長・専務・常務夫人たちの3人組が面白いです。芸達者な方達なので、これから千秋楽までいじわるぶりに拍車がかかるかもしれません。それも楽しみです。 |