敵との距離を保てとの命令を受けていたけれど、敵の動きは予想以上に速く、とうとうつかまってしまった。作戦室に集まっている艦長やメインクルーにこのことを連絡し、戦闘態勢のシグナルをだす。
メインクルーの古代さんや島さんが第一艦橋に帰ってきて、ただちに主砲を発射させる。さすがに班長。行動が素早い。相原通信班長も第一艦橋に帰ってきたのだけど、森さんのかわりにレーダー業務についたので、私はそのまま通信席に座っていた。
敵艦は2隻だったので簡単に撃破できた。
しかし、まだあと2個艦隊が前をふさいでいるので、とりあえずアステロイド帯に待避して様子をうかがった。艦の修理もしなくちゃならないしね。
ここは狭い通路になっている。古代さんが「待ち伏せにはもってこいだな。」と言った。そんな不吉なことを言わないでくださいよぉ〜。
そんなことを言うから〜、相原さんがレーダーで敵を発見してしまったじゃないですか。アステロイド帯が岬のようになっているのだけど、その先端に敵艦が1隻あるとのこと。でも1隻だけなんておかしいわよね。
しかし、その疑問について考えている暇はなかった。エリア内に高速で動く物体を発見したのだ。それもどえらい大きさなの。敵の超巨大戦艦か?と思ったけど、どうやら生物の反応があるらしい。
超巨大な宇宙生物?その生物がヤマトをめがけてやってくる。体当たりされたらヤマトはひとたまりもない。逃げなくっちゃ!
一応主砲で攻撃してみるんだけど、ダメージを受けない。すれすれのところを通っていったときには冷や汗ものだった。くねくねと身体を上下にゆらして飛んでいる宇宙生物。
真田さんはこの生物は小さい生物が寄り集まってできたものだろうという。攻撃を受けたときに分裂するからダメージが伝わらないのだそうだ。だが全然効いていないわけではないので、いやというほど攻撃を受ければそのうちに、というなんとも心もとないお言葉。そんなことしているうちに、ひとかすりでもしたらOUTなのよ〜。
宇宙生物がヤマトの頭上をかすめて通っていった。真田さんの「損傷率40%」の声が響く。たったひとかすりでそんなに?真田さんが必死に修理作業の指揮をとる。島さんは必死に逃げる。古代さんは必死に主砲を撃つ。
そして私は、微弱な電波を察知した。どこから発信しているかはわからない。通信用の電波とは違うようだ。なんだろう?もし、この電波でこの生物が操られているとしたら?電波の発信源を叩けばあるいはこの生物は攻撃してこないかもしれないのに。でも、そこまで探査している余裕はなかった。
ほとんど1日中逃げ回って主砲を撃って、やっとのことで宇宙生物を爆破できた。電波も消えた。岬の先端にいた敵艦の姿も同時に消えたので、おそらくその艦があの生物を操っていたのだろう。もっと早く察知できたらよかったのかな・・・?
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